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【ネタバレあり】アルスラーン戦記06巻『風塵乱舞』レビュー【小説/完結/田中芳樹】

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ここは、

田中芳樹 著
アルスラーン戦記06巻『風塵乱舞』

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【ネタバレあり】アルスラーン戦記06巻『風塵乱舞』レビュー【小説/完結/田中芳樹】

 

第06巻『風塵乱舞』 1989年

 

第一章 陸の都と水の都と

パルス最大の港町であるギランに到着したアルスラーン一行は、食事で旅の疲れを癒したのちギラン総督府へ赴いた。国内外から様々な物資が流入するこの地の総督は宮廷書記官に並ぶほどの顕職であり莫大な財力・武力・情報を蓄えているため、陣営に引き入れておきたかったのである。しかし、謁見した総督ペラギウスは私欲を肥やすことに熱心で、宮廷へ納めるべき租税を着服している小人。。当てが外れたナルサスが新たな作戦を練っていた時、絹の国(セリカ)からの交易船が海賊の襲撃を受けているという報告が舞い込んできた。

美女亭(サーキアス)という料理屋で食べた食事が、香辛料で味付けされた白身魚のからあげ・蟹の蒸し焼・大海老の塩焼・帆立貝の揚物・魚のすり身をダンゴにして串に刺して焼いたキョフテ・ムール貝の実を多量にいれたサフランライス・海亀の卵をいれたスープ・白チーズ・ムール貝の串焼・葡萄酒(ナピード)・サトウキビ酒・リンゴ茶・蜂蜜いりのオレンジのしぼり汁・色とりどりの果物。…相変わらず美味しそう。

 

第二章 南海の秘宝

グラーゼ率いる商船「勝利(ピールズィー)」は襲い掛かる海賊たちの猛攻をよく凌いでいたが、止むことのない攻撃に息も絶え絶えの状態であった。港が近いにも関わらず他の船からの救援がやってくる気配は無く、歯ぎしりするグラーゼ。これまでかと思われたが…そこへ、4名の男女が乗った一隻の漁船が近づいてきた。ダリューン・ギーヴ・ファランギース・ジャスワントの面々である。ギランの民を救うことによってギラン市民からの信頼を得ようと考えたナルサスの指示により、グラーゼを救いにきたのだ。

海上商人グラーゼ登場。武将ではないので剣の腕はそこそこだが、船で大量の物資を運ぶ輸送力と機転がきく頭脳に、アルスラーンはこれから何度も助けられることになる。

ちなみに、他の商人たちも自分の私兵を持っているのに救援を派遣しないのは、ピールズィーが沈めば自分の商品が高く売れるから。

揺れ動く甲板の上においてもダリューンの剣技は衰えず、斬撃の一閃ごとに海賊たちは撃ち倒され、切り伏せられ、血煙の下にのけぞった。4名の剣士によって海賊の屍が次々と甲板に並び、ピールズィーは無事港の桟橋へ。名前と恩を売る好機をモノにしたアルスラーン一行はグラーゼの口添えもあり、海上商人たちの協力を約束させることに成功。

海賊風情がこのメンバーに太刀打ちできる筈もなく。

ギランにいる旧友シャガードと再会したナルサスは、かつて奴隷廃止構想を語り合ったシャガードが100名以上の奴隷を使役している現状にショックを受ける。理想の国づくりを行うために旧友と袂を分かつ決意をしたナルサスは、夏の夜風に肩をすくめながら帰途につく。。

自発的に奴隷をやっている人も居るからシャガードの考え方も分からなくはないが、強制的に奴隷になっている場合を考えると…。

復讐にやってきた海賊の本体を返り討ちにし、総督ペラギウスを背任の罪で追放。ギランをほぼ手中におさめたアルスラーン一行は、大海賊アハーバックの財宝が眠るというサフディー島へ向かうことに。

男は誰でも宝探しが大好き。

 

第三章 列王の災難

兵権を取り戻したアンドラゴラスと、イルテリシュ率いるトゥラーン軍がペシャワール城外で激突。糧食の乏しくなったトゥラーン軍は死兵となり、激烈な攻勢をかける。キシュワード・クバードら主だった武将は敵兵の返り血で甲冑を紅く染めていたものの、全体としては押され気味なパルス軍。とうとう城内への侵入を許し、イルテリシュは歓びの咆哮を上げる。しかし、それはパルス軍の罠であり、城内の落とし穴に嵌められたトゥラーン軍は四方から矢の雨を浴び、崩壊。。トゥラーン軍約30,000名のうち25,000名が戦死し、残りは散り散りになって逃げていった…。

草原の覇者トゥラーン軍が、ここで脱落。指導者&軍の大半を失ったトゥラーンの本国に残っているのは、女・子供・老人のみ。トゥラーン国それ自体が滅亡したと言っても過言ではない状態。

辛うじて戦場を離脱することに成功したイルテリシュであったが、兵を失い敗北した今となっては祖国へ戻ることも叶わず、あてもなく彷徨っていた。そこへ魔導士グルガーンらが急襲。抵抗するイルテリシュの動きを魔道の術で封じ、何処かへ連れ去った。蛇王ザッハークがこの世に再臨するためには憑代が必要であったため、猛々しく勇猛なイルテリシュを候補として選んだのだ。

この時点ではイルテリシュがその役になると思われたが。。

一方、王都エクバターナでは、マルヤム内親王イリーナがルシタニア軍に囚われ、ギスカールの策略によってイノケンティス王暗殺未遂の罪人へ仕立て上げられた。イリーナが処刑の危機にあることを知ったヒルメスは、いよいよギスカールとの決別を決意。兵を率いて王宮へ殺到、イリーナを救出しザーブル城方面へ逃走した。一方、ヒルメスの裏切りによって混乱するエクバターナでは、アルスラーンのもとへ向かおうとしていたメルレインとエステルが偶然出会い、旅路を共にすることに。

ギスカールの周りは、もはや敵だらけの状態。ルシタニア軍自体は嫌いだが、ギスカールはなんか可哀想になってくる(苦笑)

 

 

第四章 虹の港

大海賊アハーバックの財宝を探すため港をあとにしたアルスラーン一行。帆船が見えなくなり、王太子府が空になったギラン。この機にギランの街を手中に収めようと画策している人物がいた…ナルサスの旧友シャガードである。奴隷解放が実現すれば不利益を被ってしまうシャガードは、海賊たちを裏で操っていた上にありもしない財宝の噂話を流し、アルスラーンらを街から遠ざけたのであった。。しかし、それすらもナルサスは見抜いていた。密かにゾット族へ街の守りを固めてもらい、自分たちも出港したと見せかけて再上陸を果たす。海賊の残党は次々に討ち取られ、シャガードは告死天使によって右頬の肉を削られて捕縛。1年間奴隷として過ごす罪を言い渡された。

シャガードの罰を言い渡した件はアルスラーンの名裁きと言われてるけど、やっぱり甘いんだよなぁ。。

ギランの富商・民衆の信頼を勝ち取ったアルスラーンはギランの街を完全に支配下へ置くことに成功。金貨の樽・軍馬500頭・小麦や乾し肉を積んだ駱駝の群れ・船・5万本の矢など、軍資金や人員が我先にと続々集まり、財政が一気に潤った。

権力を握ると、あとは雪だるま式に財力が増していく。そりゃみんな権力を握りたくなる。

王都を脱出してきたメルレインとエステルが、アルスラーンのもとへ到着。エクバターナの現在の状況を聞いたナルサスは今が好機と判断、挙兵の時期が来たとアルスラーンへ告げるのであった。。

いよいよエクバターナ奪還へ…。

 

 

第五章 風塵乱舞

一方、トゥラーン軍という後顧の憂いを掃ったペシャワール城においても、アンドラゴラスがエクバターナ奪還へ向け動き出していた。アンドラゴラスはキシュワードに対し捕虜であるジムサの処刑を命じたが、すんでのところでジムサは脱走。アルスラーンのもとへ馳せ参じるためにアンドラゴラス軍を抜けたザラーヴァントと合流し、二人でペシャワール城をあとにする。

トゥース・イスファーン・ルーシャン辺りも、アンドラゴラスに対し含むところがある模様。良くも悪くもワンマン社長だからね。

パルス歴321年7月末、先にルシタニア軍と激突したのはアンドラゴラスであった。擁する軍勢は、パルス軍100,000名・ルシタニア軍250,000名。前衛部隊80,000名(騎兵15,000名・歩兵65,000名)を率いるはギスカールの切り札の一人、ボードワン将軍。自ら戦斧を振るい勇戦するも、部隊はアンドラゴラスやクバードの人間離れした豪勇の前に総崩れを起こし、ボードワン自身もキシュワードに討ち取られた。

ギスカールを補佐する二人のうち一人が戦死。これでルシタニア軍に残る有能な人間は、ギスカールとモンフェラートのみ。

このときアルスラーンは王都エクバターナまで50ファルサング(約250キロ)、ヒルメスは16ファルサング(約80キロ)の距離におり、城内へ突入する機会を伺っていた。パルスの支配権をめぐる全ての勢力が、王都エクバターナという地図上の一点に集まりつつある…。

アルスラーン戦記06巻『風塵乱舞』 完

次巻で第一部終了。最後に勝利を手にするのはどの勢力か。。

 

 

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